アトピー性皮膚炎等に対するステロイドを使っていない外用薬

アトピー性皮膚炎の「非ステロイド外用薬」

ステロイド以外にも、治療の選択肢があります。
アトピー性皮膚炎の治療では、炎症をしっかり抑えるためにステロイド外用薬が重要な役割を担っています。
一方で、現在はステロイドとは異なる作用で炎症を抑える外用薬も登場しており、症状や塗る場所、年齢などに応じて使い分けることができます。
特に、顔・首などのデリケートな部位や、症状が落ち着いた後の治療を続ける場合などに、非ステロイド外用薬が選択肢になることがあります。
「ステロイドはできるだけ使いたくない」
「顔の湿疹には何を塗ればいい?」
「子どもにも使える薬はある?」
このような疑問がある方は、ぜひご相談ください。

主な非ステロイド外用薬

現在、アトピー性皮膚炎に使用されている代表的な非ステロイド外用薬には、以下の4種類があります。

主な非ステロイド外用薬 分類表

※年齢などの使用条件は、製剤の規格・適応・最新の添付文書によって異なる場合があります。実際の使用については医師の指示に従ってください。

4つの薬は、どう違う?

プロトピック軟膏

顔や首などにも使いやすい薬」
免疫反応を調整して、アトピー性皮膚炎の炎症を抑えます。
塗り始めにヒリヒリ感・ほてり・かゆみなどを感じることがありますが、使い続けることで軽くなることがあります。
ステロイド外用薬でみられる皮膚萎縮などの副作用がないことも特徴です。

コレクチム軟膏

「刺激感が比較的少なく、幅広い年齢で使える薬」
JAKという炎症に関係する経路を抑えることで、皮膚の炎症やかゆみを改善します。生後6か月から使用できるため、乳幼児から成人まで幅広い年齢層で使用できることが特徴です。

モイゼルト軟膏

「乳児から使える非ステロイド外用薬」
PDE4という酵素を阻害し、炎症反応を抑えます。生後3か月から使用できるため、赤ちゃんのアトピー性皮膚炎にも使用できる選択肢の一つです。刺激感が比較的少ないことも特徴ですが、症状の程度によっては他の外用薬を組み合わせることがあります。

ブイタマークリーム

「1日1回で使用できる新しいタイプの外用薬」
AhRという皮膚の炎症やバリア機能に関係する仕組みに働きかけます。1日1回の塗布で使用でき、アトピー性皮膚炎に伴うかゆみの改善も期待できます。12歳以上が対象です。

症状や部位によって使い分けます

非ステロイド外用薬は、すべての患者さんに同じように使用するわけではありません。
例えば、
顔・首など
 
皮膚の状態や治療経過をみながら
非ステロイド外用薬を選択することがあります。
症状が強いとき
 
まず炎症をしっかり抑える治療を行い、
症状が落ち着いてから非ステロイド外用薬に切り替えることがあります。
症状が落ち着いた後
 
再燃を防ぐため、医師の判断で外用治療を継続することがあります。
乳幼児
 
年齢や皮膚の状態に応じて、使用できる非ステロイド外用薬を選択します。
つまり、「ステロイドか、非ステロイドか」の二択ではありません。症状の強さ・年齢・塗る場所・これまでの治療経過などを考えて、薬を組み合わせながら治療することが大切です。

非ステロイド外用薬にも注意点があります

「非ステロイド=副作用がない」という意味ではありません。
薬によっては、使用開始時に刺激感、赤み、ほてり、かゆみなどがみられることがあります。
また、炎症が強い場合には、非ステロイド外用薬だけでは十分に症状を抑えられないこともあります。
その場合には、ステロイド外用薬で炎症をしっかり抑える
 
症状が改善
 
非ステロイド外用薬などを使用して治療を継続
というように、段階的に治療することもあります。
大切なのは、「ステロイドを使う・使わない」だけで考えるのではなく、皮膚の状態に合わせて適切な治療を選ぶことです。

こんな方は一度ご相談ください

  • 顔や首の湿疹がなかなか治らない
  • ステロイドを長期間使うことが心配
  • ステロイド以外の治療について知りたい
  • お子さまのアトピー性皮膚炎で悩んでいる
  • 湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返している
  • どの薬をどのくらい塗ればいいのかわからない

アトピー性皮膚炎は「薬を選ぶ」だけではありません

アトピー性皮膚炎は「薬を選ぶ」だけではありません。アトピー性皮膚炎は、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すことがあります。
そのため、

(1)いまの炎症をしっかり抑える
 
(2)皮膚の状態を良い状態に保つ
 
(3)再び悪化しないように治療を続ける

という考え方が大切です。
当院では、患者さんの年齢・症状・皮膚の状態・生活スタイルなどを考慮し、ステロイド外用薬だけでなく、非ステロイド外用薬を含めた治療方法をご提案しています。
「ステロイドはなるべく使いたくない」
「顔の湿疹には何を使えばいい?」
「子どもに使える薬を相談したい」
など、気になることがありましたら、皮膚科専門医へお気軽にご相談ください。
※薬剤の使用年齢・用法・用量・適応症などは変更される場合があります。治療については診察のうえ、医師の指示に従ってください。

アトピー性皮膚炎 外用治療の流れ

アトピー性皮膚炎の外用治療
 
炎症が強いとき
 
炎症をしっかり抑える
ステロイド外用薬など

 
症状が改善
 
良い状態を維持する
非ステロイド外用薬 保湿剤など

 
再び悪化しないように
 ↓
皮膚の状態に合わせて
治療を継続・調整

症状が悪化したら治療を強化

「どの薬が自分に合いそう?」選び方の目安

亀戸シンシアクリニック 皮膚科医師

亀戸シンシアクリニック
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