皮膚科の診療案内

皮膚科

皮膚は人体最大の臓器とも言われ、全身を覆い、大切な役割を果たしています。お相撲さんを指導する親方は、お弟子さんの肌の状態で「調子が良か悪いか」を判断するそうです。免疫低下などで皮膚疾患を患うと皮膚の大切さを実感します。皮膚疾患の内的要因には、皮脂分状態や発汗状態、アレルギーやアトピーなどあり、外的要因には、直射日光、化粧品、科学物質、花粉、ウイルス、水虫などが原因で起きる治療期間が比較的明確なものだけでなく、蕁麻疹、アトピー、乾癬など根気強く治療継続が必要な疾患や手術が必要なできものなど、多岐にわたります。
免疫低下の病気などの内科的な疾患、アレルギー、時には悪性腫瘍が隠れていることもあります。患者さんが事前にWeb問診をして頂く事で、事前に患者さん情報を適切に把握する事ができ、より親切で丁寧な診察が可能です。そして、原因を見つけること、お一人お一人にあった治療を選択していくことがとても大切です。全身の皮膚、髪、口腔内等お困りのことがありましたらお気軽にご相談ください。

形成外科について

皮膚のできものには、粉瘤、脂肪腫、汗孔腫、脂腺増殖症、神経鞘腫、軟性線維腫など様々な良性腫瘍があります。また、頻度は高くないものの、基底細胞癌、有棘細胞癌、悪性黒色腫等の悪性腫瘍があります。良性でも、悪性化するリスクがあるため取った方がよいものもあります。当院では、形成外科の処置は行っていませんが、診察は可能です。場合によっては血液検査、エコー検査を実施し、その後、適切な病院へご紹介する仕組みとなっています。

皮膚科診療の内容

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは、広範囲の湿疹が6ヶ月以上繰り返す状態です。まずは湿疹の治療をしっかりとすることが大切です。アレルギーが増悪因子となることもあるため、検査して原因を除去することも有効です。小児の場合は、成長とともに症状が軽快することがあります。

・治療
アトピー性皮膚炎は、皮膚のIL-4や13などのサイトカイン(⇒)により皮膚に炎症が起きている状態とも言われております。まずはステロイド外用で皮膚の炎症を抑え、かゆみやアレルギーに対し抗ヒスタミン薬内服で治療を行います。コントロールが難しい場合は、炎症を抑えるために免疫抑制薬(ネオーラル)の内服や注射による治療【デュピクセント(⇒)】をおすすめしています。【デュピクセント】は「木曜日·土曜日」の医師のみ処方が能です。

湿疹が増悪寛解を繰り返すと色素沈着を起こして皮膚が黒くなったり、長期ステロイド外用により皮膚が菲薄化してしまいます。そのため、状態が安定しているときでも通院を継続し、非ステロイド性の外用(プロトピック、コレクチム)や保湿を行いながらよい状態を保つことが大切です。

ニキビ

ニキビは、肌のターンオーバーの乱れによる毛穴のつまり、アクネ菌の増殖、ニキビダニ、腸内環境の悪化や変化、ホルモンバランス等によって引き起こされます。炎症が強くなると痛みを伴うこともあります。放置すると、クレーターのような痕になってしまうことがあるため、早めに治療開始することが大切です。

・治療1(保険適適応)
保険診療では、抗生物質の外用・内服や毛穴のつまりを改善する薬(ベピオ、デュアック、ディフェリン、エピデュオ)を外用します。
ビタミン剤や漢方の内服などの処置を行うこともあります。定期通院し、良い状態をキープしていくことが大切です。

・治療2(自由診療)
保険診療での治療でも治りが悪い、多数のニキビを繰り返す、ニキビ痕やニキビ肌を改善したい場合は、自由診療の治療が可能です。

【アクネトレント】(ビタミンA誘導体)内服や、【スピロノラクトン】内服を取り扱っています。

【アクネトレント】
皮脂分泌や角化異常を抑える効果があり、海外では保険適応となっている一般的な治療です。非常に高い肌質改善効果がありますが、ビタミンAの過剰摂取で胎児の催奇形性が報告されているため、内服中・内服後1ヶ月は徹底した避妊が必要になるのが、デメリットです。

【スピロノラクトン】
もともとは利尿薬として処方されているものですが、男性ホルモンを抑えることがわかっており、重症ニキビの治療の1つとして有効です。いずれも内服開始時と、開始後1ヶ月の時点で副作用が出ていないか確認するために採血するのがデメリットです。

・治療3(自由診療)
肌の表面に薬剤を塗ることで古い角質を剥がし肌のターンオーバーを正常化させていく、ケミカルピーリングを定期的に行うことも有効です。

・治療4(自由診療)
ニキビ痕は、赤みに対しForma α (光治療)を行っています。フォトフェイシャルの光エネルギーは、ニキビ痕の赤みや色素沈着の原因とされる過剰に生成された毛細血管・メラニン色素へ集中的にダメージを与え、色ムラを改善します。

・治療5(自由診療) 準備中・・・
ニキビになり易い方の特長として腸内環境悪化が原因ともされています。

蕁麻疹(じんましん)

蕁麻疹は、かゆみを伴う赤く盛り上がった発疹で、全身のあらゆるところに出現します。時間帯によって出たり消えたりを繰り返します。アレルギーが関係している場合はまれで、8割以上は物理的刺激や運動、疲労・ストレスなどをきっかけに症状が出現する特発性蕁麻疹です。

・治療
蕁麻疹は、皮膚のマスト細胞が刺激を受けることによりヒスタミンを放出して起こります。そのため、抗ヒスタミン薬内服が基本の治療になります。H2ブロッカー(ガスター)や、抗ロイコトリエン拮抗薬(キプレスなど)
を追加することもあります。抗ヒスタミン薬は多くの種類があり、患者さんによって相性があるので、症状を見ながら種類や量を調整していきます。6週間以上繰り返すような慢性蕁麻疹に関しては、治療をすぐに中断すると症状がぶり返しやすいため、長期的に内服しながら治療する必要があります。難治性の場合は、注射薬(ゾレア)をおすすめします。

乾癬(かんせん)

全体の約70〜80%が尋常性乾癬です。滴状乾癬(てきじょうかんせん)、乾癬性紅皮症(かんせんせいこうひしょう)、膿疱性乾癬(のうほうせいかんせん)などがあります。皮膚のターンオーバーが乱れることで、分厚いフケを伴った特徴的な皮疹が出現します。擦れやすいところに皮疹が出やすく、爪や頭皮にも症状が現れます。関節にも症状が現れることがあります。

・治療
まずは皮膚の代謝を整える活性型ビタミンDと、炎症を抑えるステロイドを外用するのが治療の基本です。当院では取り扱っておりませんが、光線治療も有効です。皮疹が広範囲の場合や、関節にも症状が出現した場合は、抗PDE4阻害薬(オテズラ)内服や、免疫学的製剤注射による治療が必要です。注射の場合は適切な施設へご紹介いたします。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

手のひらや足裏に、小さい水ぶくれやうみがくり返しできる皮膚炎です。膿疱の中に菌は入っていないため、人に感染することはありません。鎖骨周囲に炎症が起きたり、乾癬という病気に発展することがあります。喫煙、扁桃炎、金属アレルギーなどとの関連が指摘されています。

・治療
皮膚の代謝を整える活性型ビタミンDと、炎症を抑えるステロイドを外用するのが治療の基本です。当院では取り扱っておりませんが、光線治療も有効です。喫煙されている方は禁煙が必要です。扁桃炎の治療や、金属アレルギーを調べることをおすすめします。

脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)

顔、頭皮、耳の周囲、胸部や腋(わき)・背部など、皮脂分泌が活発な部位に出現するフケを伴った赤い発疹です。
皮膚の常在菌であるマラセチアが皮脂を分解することでできる分解産物に反応して湿疹を起こしている状態です。
・治療
炎症を抑えるためにステロイド外用を、常在菌を抑えるために抗真菌薬外用を併せて行います。皮脂分泌を抑える目的でビタミン剤を処方することもあります。

女性型脱毛症

円形脱毛症の原因はわかっていませんが、毛根を免疫細胞が攻撃してしまうことによると考えられています。
頭皮全体に広がってくる場合は大きい病院にご紹介することがあります。

・治療
毛の抜け始めでは、ステロイド外用・注射などが有効です。セファランチンやグリチロンといった炎症を和らげる内服を併用します。抜けきったあとでは、液体窒素や光線療法、SADBE外用による刺激を行います(当院では光線とSADBEの取り扱いはありません)。

ケロイド

ケロイドとは、もともと傷があった範囲を超えて、テカテカとした組織が盛り上がって広がってしまう状態です。ステロイド外用や注射で治療します。

水虫などの真菌感染症

白癬菌という真菌の一種が皮膚や爪で増えてしまった状態です。爪が白く濁ってボロボロしてきたり、分厚くなったりします。皮膚は水疱ができたり皮むけを起こします。むけてきた皮膚を顕微鏡でみることで診断できます。
手足以外にも、体部白癬、インキンタムシ(陰部の真菌感染症)、ケルスス禿瘡(頭皮の真菌感染症)など、体のあらゆる部位に白癬菌やカンジダ菌などの真菌感染症が起こりえます。猫などのペット歴や、レスリングなどの運動習慣等が原因となることがあります。

・治療
抗真菌薬の外用を行います。体部白癬は1~2ヶ月で治ってきますが、足水虫は蒸れやすい部分のため、半年以上は外用をおすすめしています。また、爪や頭皮の病変の場合は内服治療の方が有効です。爪は、治療が有効であっても一度変形した部分はもとに戻らないため、新しい爪がきれいに生えてくればOKです。内服治療自体は3ヶ月~半年程度(ネイリン:3ヶ月、ラミシール:半年、イトリゾールは1週間内服3週間休薬を3クール)で一旦終了です。内服を終了しても爪に薬剤が残り効果が持続するためです。ただし、足の爪は1ヶ月に1mm程度しか伸びないため、爪がきれいになるには年単位で時間がかかります。また、みた目だけでは湿疹と水虫の診断は難しいことが多く、受診前の自己判断での市販薬による水虫治療を行わないことが大切です。湿疹に水虫薬を使用してかぶれてしまうケースが多く、一度水虫薬を使うと顕微鏡での検査で診断しにくくなるためです。

帯状疱疹

帯状疱疹は、水疱瘡と同じウイルスで起こる皮膚の病気です。体の左右どちらかの神経に沿って、痛みを伴う赤い斑点と水ぶくれが多数集まって帯状に生じます。水疱瘡にかかったことのある人なら、誰でも帯状疱疹になる可能性があります。疲れたり、抵抗力が落ちたりしている時に発症します。

・治療
治療は、抗ヘルペス薬の内服を中心に行います。ウイルスの増殖を抑えることにより、急性期の皮膚症状や痛みなどを和らげ、治るまでの期間を短縮します。発病早期に服用を開始するほど治療効果が期待できます。帯状疱疹の特徴的な症状を自覚したら、できる限り早くご相談ください。

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