金属アレルギー、金属かぶれの診断はパッチテストで行います

金属アレルギー、金属かぶれを調べるパッチテストの費用や検査の流れ、治療・予防法について医師が解説します

金属アレルギーはアクセサリーなどに触れることにより生じる接触性皮膚炎(かぶれ)のみならず、難治性の手湿疹などの全身の症状も引き起こすことがあります。金属アレルギーの有無はパッチテストによって検査を行います。金属パッチテストの費用や検査の流れなどについて解説します。

金属アレルギーはどのような症状がでますか?

金属アレルギーには金属に直接触れることで湿疹や水疱、かゆみなどが出現するタイプと身体に取り込まれた金属が全身に症状を引き起こすタイプに別れます。アクセサリーやベルトのバックル、金属の含まれた衣類や化粧品など触れた部分に一致して症状が出現するのが特徴です。一方、全身に症状が出る場合は歯科金属や食事から慢性的に摂取することにより全身のそう痒感などが出現します。難治性の手湿疹(汗疱状湿疹)、掌蹠膿疱症、扁平苔癬などとも関連するといわれています。

アレルギーの原因とのある金属は?

コバルト、ニッケル、クロムの頻度が高いといわれています。

  • ニッケル;貴金属(指輪やネックレス、ピアス)やステンレスに含まれます。
  • コバルト;貴金属やニッケルメッキに含まれています。
  • クロム;革製品のかぶれの原因でありメッキやステンレスにも使用されています。

金属アレルギーはどのように診断しますか?

パッチテストは背中に種々のアレルゲンを貼り、以下のようなスケジュールにて経時的に反応を観察することで皮膚炎とアレルゲン関係を確認します。 

当院では16種類の金属(アルミニウム、コバルト、スズ、パラジウム、マンガン、インジウム、イリジウム、クロム、ニッケル、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、水銀)のパッチテストで診断を行います。血液検査は実施しておりませんので、ご承知おきください。

パッチテスト行うには検査日、3日目、4日目の3回受診していただく必要があります。当院は火曜日・日曜日が休診となるため以下の日程でご来院いただく必要があります。

金属アレルギーはどのように治療しますか?

治療としてはまず、原因となっている金属との接触をさけることが重要です。代替品が用意できるものについては代替品を使用します。接触をさけられない場合はゴム手袋などを使用し直接触れることを避けます。

湿疹がある場合は抗ヒスタミン薬の内服やステロイドの外用を行います。
パッチテストの結果により金属による全身性アレルギーと診断された場合には、食品に含まれる金属によって皮膚炎症状が悪化する可能性があります。現在の症状が金属アレルギーによるかを確認するには、除去を行うことで改善するかを確認する『診断的治療』を行います。ただし、過剰な食事制限は健康障害を起こす可能性もあるため必ず医師の指導のもとにおこなってください。

シンシア医師

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